暑さや寒さからの身体的な刺激、人間関係の悪化などの精神的ダメージは生体内に歪みをつくります。
内部に生じた障害や歪みを元に戻そうとする防衛反応が“ストレス”です。
歪みを元に戻すために自律神経系の交感神経が緊張し、血液の粘着度が増して血清中のコレステロール値が上昇します。
ストレスの中でも激しい怒りなどの情動ストレスは膨大なエネルギーが必要です。
今回は自律神経を整える方法を考えて参りましょう。
《著者紹介》
福島 多香恵
椅子を使った運動「チェアロビクス®」を創案し登録商標を取得。体幹強化重視、疾病予防に役立つ独自の運動レシピを創っている。
自律神経を整えるエクササイズをやってみよう!
副交感神経が目覚める深呼吸
軽度のストレス症状が出たときに、その都度ストレスを解消していきましょう。
過剰な交感神経優位状態から副交感神経を目覚めさせるために、深呼吸を行います。
- 肋骨に手を当てて瞳を閉じましょう。
- 鼻から息を吸って、口から吐いていきましょう。
深呼吸をしながら心臓の鼓動を確認します。
吸息では肋骨が左右前後に開くイメージを持ってください。
このとき、肋骨の外側にある筋肉や横隔膜が収縮します。
また、呼息では外肋間筋と横隔膜が弛緩します。
意識的に息を吐ききることで、内肋間筋や腹筋も収縮し体幹が安定します。
体幹の安定は精神の安定に結びつきます。
表情筋を緩和するエクササイズ
ストレスを受けると顔の表情筋が作動します。
表情筋の硬直を緩めることが重要です。
- はじめに、鏡の前で「い」と「お」を繰り返します。
- 咬筋がほぐれたあとは、カラカラになった口の中を唾液でうるおします。
- 上下の歯をカチカチと「ガムを噛む」イメージで動かして唾液がでるのを感じましょう。
- 最後に左右の頬骨を両手で軽くマッサージしてください。
いつまでも終わらないストレスに“ゴキブリ体操”
長期間のストレスに曝されている場合は、朝晩のゴキブリ体操が効果的です。
仰向けに寝た状態で両手両脚を天井に伸ばして、手足を揺らしましょう。
併せてやってみたい対策
対策1~ストレッサーの受け止め方を変える!~
ストレスを引き起こす“ストレッサー”を脳の海馬が察知すると、扁桃体がその刺激を快・不快に振りわけます。
扁桃体の判断を快にするためには“心地よく感じる楽しい経験”の量を増やさなければいけません。
もしあなたが仕事に追われて楽しみがない場合、扁桃体はどんなストレッサーに対しても不快の判定を下します。
生活の中に小さな快を取り入れましょう。
対策2~日内リズムを崩さない!~
自律神経系の日内リズムを崩さないようにしましょう。
日中は交感神経が優位になり、夜間は副交感神経が優位になります。
夜間に激しい運動をすれば、このリズムは崩れてしまいます。
朝は短時間の熱いシャワーを浴びて交感神経を目覚めさせる、夜はぬるめのお風呂にゆっくりつかってリラクゼーションを推進することが大切です。