コレステロール値が上がると動脈硬化のリスクが高まります。
動脈硬化によって血液やリンパ液の循環が悪くなると、心臓から一番遠い「足」がむくみやすくなります。
血液循環の悪化を防ぐために運動不足を解消し、しなやかな美脚をつくりましょう。
《著者紹介》
福島 多香恵
椅子を使った運動「チェアロビクス®」を創案し登録商標を取得。体幹強化重視、疾病予防に役立つ独自の運動レシピを創っている。
むくみに関わる臓器「腎臓」には大量の血液が流れている
腎臓は尿の生成だけではなく、体液のバランスを一定にして酸塩基平衡の維持、血圧の調整やカルシウム代謝の調整も行なっています。
そのため、腎機能が障害されると体液が貯留してしまいます。
腎臓の血流量は心拍出量の約20%を占めており、腎臓の重量からするととてつもなく大量の血液が流れ込んでいます。
その血液は糸球体でろ過されますが、ドロドロ血液のろ過は負担がかかります。
また、椅子に座りっぱなしの生活ではろ過が滞りがちです。
近年の研究では有酸素運動は脳の海馬を活性化し痴呆症予防に役立つといわれています。
ときには椅子から立ち上がり、廊下を歩いて糸球体のろ過を促進してください。
体の器官は使えば発達するが、使わなければ衰える”ルーの法則
3週間の寝たきり生活を送ると心臓が小さくなるという研究結果があります。
有名なルーの法則通り、運動をしなければ体は衰えます。
運動不足は、栄養の代謝を抑制するため血中脂質を増やします。
血中脂肪が血管壁に累積すると動脈硬化になります。
血管の中にある血中脂肪の小さなものが外にはみだしたものが三段腹です。
運動不足を解消する気持ちになっても、オリンピック選手並に頑張ってはいけません。
運動強度の高すぎる運動は急性腎不全を起こすこともあります。
運動により筋肉が破壊され、筋肉中のミオクロビンが血中に流出し尿細管につまります。
オーバートレーニング・オーバーワークの目安は早朝安静時の心拍数です。
通常の心拍数より10拍以上増加していたら無理をした証拠。
しっかり休養をとりましょう。
足がつるのは酸素不足?分割呼吸で体内を酸素で充満させよう!
生活の中で酸素が少ない生活を送っているとカマ形の赤血球になってしまう場合があるそうです。
変形した赤血球は腸粘膜に痙攣をおこします。
また、酸素不足により足がつりやすくなるなど、血液循環に悪影響を与えます。
そこで、今回は体内に酸素を取り入れる呼吸法をご紹介します。
- 鼻から息を吸って、口から吐きながらお臍の穴や肛門尿道を閉めましょう。
- その状態をキープして、胸呼吸を行います。
- ひとつの呼吸を2回に分割します。
“吸って、吸って、吐いて、吐いて”と10セットからはじめてください。
息を吸うときに顎を上げないように注意してください。
この呼吸と共に室内を歩きまわりましょう。
第二の心臓「ふくらはぎ」を鍛えよう!
血液を心臓に戻すために必要な筋肉ふくらはぎを鍛えましょう。
椅子の背もたれに手をおいて、お腹を絞めたまま、かかとの上下運動を行ないます。
2日に一回、10回を2セット行いましょう。
トレーニングの後は足の指をマッサージしたり、ブラブラと揺らしてほぐしましょう。