糖尿病には、3つの有名な合併症があります。
その1つが、糖尿病神経障害です。

糖尿病の人で、「最近よく足がしびれるな…」と感じていませんか?

糖尿病神経障害は、血糖によって神経がダメージを受け、手足の感覚がなくなっていく病気です。
しかし、糖尿病になると必ずかかる病気ではなく、しっかりと血糖値のコントロールをすれば避けることができます。

ここでは、糖尿病神経障害について詳しく書いていきます。

糖尿病神経障害とは

糖尿病神経障害とは、糖尿病の三大合併症の1つです。

糖尿病が原因で神経に障害が起こり、痛みなどの感覚がなくなってしまいます。
これは糖尿病と分かってから3~5年ほどで起こる症状です。

痛みなどの感覚がないために、足に傷がついても放っておくようになってしまいます。

また高血糖の人は動脈硬化になりやすい、血液が流れにくい、免疫力が低下しやすいなどの症状があります。

そして、傷口から細菌に感染しやすくなり、足が壊疽(組織が死んで黒く変色すること)してしまうケースもあります。

糖尿病神経障害の原因は?

糖尿病神経障害の原因は、もちろん糖尿病です。
糖尿病の人は、血液中に糖が多い状態(高血糖)です。

そして、血液中の糖が末梢神経(体全体に張り巡らされた神経)を傷つけてしまいます。
これにより、痛みや熱さなどの感覚が手足から失われていくのです。

手足のしびれは、糖尿病神経障害の疑いあり

糖尿病神経障害の初期症状としては、足のしびれが最も多いです。
これをそのまま放っておくと、だんだんと足の感覚が失われていってしまいます。

すると、痛みや熱さと言った感覚を感じることができなくなります。
そして、足にけがをしてもそれに気が付かずに放置するように。

足の傷口に細菌が入ってしまうと、感染をして壊疽(組織が死んで黒く変色すること)してしまう場合もあります。
壊疽してしまうと、その部分を切断しなければならなくなってしまいます。

どんな検査で、糖尿病神経障害は分かるの?

糖尿病神経障害の検査で最も簡単なものは、ハンマーでアキレス腱や膝を叩く検査です。

普通はアキレス腱や膝を叩くと、無意識に足がはねてしまいます。
しかし神経障害があると、この部分を叩いても足がはねなくなってしまうのです。

また症状のところで触れたように、手足のしびれや感覚の消失がある場合にも、糖尿病神経障害の疑いがあります。

糖尿病神経障害の予防・治療には血糖値のコントロールが必要

糖尿病になっても、それは「血糖値が上がりやすい体質になった」だけで、血糖値をコントロールすることはできます。
そのため、糖尿病を機に食事や運動を見直せば、糖尿病神経障害になることを避けることができます。

そしてもし糖尿病神経障害になってしまっても、血糖値をコントロールすることで治療することができます。
糖尿病神経障害の治療には、主に血糖値にコントロールや、神経の血流をコントロールする薬が使われます。