内臓脂肪が多いと肥満になってしまうのは当たり前のこと。
それでは、内臓脂肪が実際にはどのような脂肪で、どのように体に影響を及ぼすのだろうか。

今回は、そもそも内臓脂肪とはなんなのか、簡単にまとめてみた。

内臓脂肪と皮下脂肪の違い

内臓脂肪と皮下脂肪はよく混同されてしまいがちだが、その影響は大きく異なる。
内臓脂肪と皮下脂肪について、比べながら確認してみよう。

皮下脂肪は洋ナシ型!

皮下脂肪は皮膚の下にそのままついている脂肪のことを指す。
触ると、おしりや二の腕などのブヨっとした脂肪は、皮下脂肪だ。

女性につきやすい脂肪で、腹だけでなく、足や腰回りにもつきやすいことが特徴。
皮下脂肪がつくと、下半身がでっぷりとしてしまって洋梨のような体型になってしまう。
そのことから、皮下脂肪型肥満のことを、「洋ナシ型肥満」と呼ぶこともある。

内臓脂肪はリンゴ型!ぽっこりお腹に注意

内臓脂肪は、文字どおり「内臓の周りに付着する脂肪のかたまり」のことを指す。

内臓の周りに付着するため、初期の段階では太っているという実感がないかもしれない。
また、内臓脂肪型肥満の人は、お腹を触ってみると、かたく、肌が張っているような感じがすることが多い。

溜まりやすく燃焼しやすいのが特徴。
どちらかというと男性につきやすい脂肪だが、年齢を重ねるにつれ女性も内臓脂肪がつきやすくなっていく。

お腹周りだけポッコリと太ってしまうため、「ポッコリお腹」とか、「リンゴ型肥満」などと呼ばれている。

内臓脂肪と皮下脂肪、どちらが危険なの?

私たちが特に気をつけなければならないのは「内臓脂肪」の方だ。
内臓脂肪はメタボ判定の基準であり、放っておくと、動脈硬化をはじめとした生活習慣病になってしまう危険性がある。

一方、皮下脂肪は、皮下脂肪によって体が圧迫されて運動ができなくなったり、体が丸くなってしまったりすることがある。
しかし、生活習慣病への影響は非常に低いと言えるのだ。

むしろ、皮下脂肪は防寒、緩衝材としての役割もあるため、減らしすぎてしまうことは逆に体に良くない。

内臓脂肪でメタボ、生活習慣病は発生しやすくなります

ぽっこりお腹はメタボの基準の1つ

内臓脂肪はメタボリックシンドロームの判断基準の一つとなっている。

メタボの基準の一つが、「男性がウェスト85cm、女性が90cm以上を超えている」というものだ。

女性の方が基準が緩いのは、女性の方が皮下脂肪がつきやすいからだ。

内臓脂肪がたまると生活習慣病にかかりやすくなる

では、なぜ内臓脂肪がつくことが、メタボリックシンドロームの診断基準になるのだろうか?

それは、内臓脂肪がつくことによって、様々な生活習慣病を引き起こすリスクが高くなるからなのだ。

内臓脂肪が増えることによって、中性脂肪やコレステロールが増える「脂質異常症」の他、高血圧症、糖尿病などの生活習慣病が引き起こされる可能性が高くなる。
しかもそのうちの一つにかかるだけで、別の病気を併発するというとても危険な状態になりかねない。

つまり、ぽっこりお腹になってしまうということが、生活習慣病の併発というリスクを負ってしまうのである。