糖尿病予備群は『予備』という字が入っている通り、糖尿病の手前の状態の人のことだ。

医師に糖尿病予備群と言われたけど、どうすればいいんだろう…」と思っている人もいると思う。
また「血液検査で血糖値が高めに出たから、もしかして糖尿病予備群かも…」と不安に思ってはいないだろうか。

大切なのは、肥満の原因となる中性脂肪を減らし、血糖値をコントロールすることだ。
まだ「予備群」で済んでいるうちに気づくことができて良かったと前向きにとらえて、血糖値のコントロールに取り組んでいこう。

ここでは、糖尿病予備群について詳しく書いていく。

糖尿病予備群とは

糖尿病予備群とは、糖尿病ではないものの血糖値が高めの人のことだ。
そして糖尿病予備群になると、数年以内に糖尿病になる可能性が高まる。

糖尿病は腎臓や神経などに悪影響をもたらし、最悪の場合に死につながるケースもある。

また平成24年度の厚生労働省の調査によると、糖尿病患者は約950万人、糖尿病予備群は約1100万人もいると推計されている。

糖尿病予備軍かどうかのチェックの仕方

検査名 糖尿病と判断される基準 備考
尿糖検査 尿糖が検出されると、高血糖の疑いあり 尿から糖が検出されるかどうかを検査する
ヘモグロビンA1c検査 6.5%以上で糖尿病 ヘモグロビン全体におけるグリコヘモグロビンの割合を検査する
血糖検査 正常値 境界値 糖尿値 2つとも正常値で正常
2つとも糖尿値で糖尿病
それ以外の場合は
境界型糖尿病
空腹時
血糖値
~110mg/dl 110mg/dl
~126mg/dl
126mg/dl~
ブドウ糖負荷試験 ~140mg/dl 140mg/dl
~200mg/dl
200mg/dl~

上記の表の『境界型糖尿病』に当たる人が、糖尿病予備群とされている。

表からわかるように、糖尿病予備群には様々なケースがある。

例えば空腹時血糖値が正常で、ブドウ糖負荷試験は境界値の人は、比較的安心できる数値だ。
一方で空腹時血糖値が境界値で、ブドウ糖負荷試験が糖尿値の人は、まさに糖尿病一歩手前の状態と言える。

糖尿病予備群は、自覚症状がない

糖尿病予備群に、自覚症状はない。

「手がしびれる」や「目が見えにくい」などの具体的な症状が出るころには、糖尿病になってしまっている可能性が高い。
そのため自覚症状が出ない糖尿病予備群のうちに、血糖値をコントロールすることが必要だ。

糖尿病予備群にならないためには?

糖尿病予備群は、病気というよりも『血糖値が高くなりやすい体質』と言える。
そのため糖尿病予備群になってしまうと、それを完全に治すことはとても難しい

そこでまずは、糖尿病予備群を予防することが必要だ。
そして仮に糖尿病予備群になってしまっても、その後の食事・運動によるケアで血糖値をコントロールすることが大切だ。

中性脂肪を減らすことで、糖尿病予備群の予防に

血糖値を抑えるためには、肥満を解消しなくてはならない。
なぜなら血糖値の上昇は、中性脂肪の増加による肥満が原因だからだ。

そのためには、食事と運動がポイントになる。

中性脂肪がたまりにくい食事を心がけよう

食事ではとにかくたくさん食べすぎないよう、腹八分目を心がけましょう。
中性脂肪が増える1番の原因は、食べ過ぎだからだ。

腹八分目で抑えるためには、まずよく噛んで満腹中枢を刺激することが重要だ。

また1日3食バランスよく食べるようにしてほしい。
朝食を抜かして昼と夜にいっぺんにたくさん食べると、逆に中性脂肪が溜まりやすくなってしまうのだ。

そして炭水化物ではなく、野菜を多めに摂ることも心がけよう

有酸素運動は、中性脂肪・血糖値両方に効果的

ジョギングなどの有酸素運動は、中性脂肪を燃焼するため肥満に効果的だ。
さらにそれだけでなく、運動をすると血液中の糖がエネルギーとして筋肉細胞に取り込まれる。

そのため運動は、直接的に血糖値を下げる働きもしてくれる。

定期的に血糖値を測ることで、血糖値を意識した生活に

糖尿病予備群を予防するためには、定期的に血糖値を測ることが重要だ。
最低でも、年に1回健康診断を受けるようにしよう。

また上に書いた尿糖検査は、自宅で簡単に測れるキットが販売されている。
これを使って定期的に測るのも良いだろう。

自分の血糖値を測ることで、食事や運動による血糖値改善のモチベーションになる。