コレステロールや中性脂肪は、糖尿病や高血圧などの生活習慣病をはじめ、様々な病気の原因となります。
元気だから大丈夫と放っておくと、厳しい食事制限が必要になったり、食事以外の生活にも支障がでてしまうことも・・・。

そうなる前に今できることを始めてみませんか?

今回は中性脂肪やコレステロールを下げる基本的な食事についてお伝えしていきます。


スクリーンショット 2016-07-07 21.23.24《著者紹介》
柴内さおり
管理栄養士。社員食堂、栄養相談、商品開発などの仕事を経験する中で、食べたものが自分のからだをつくっているということを再認識。現在はアプリでのダイエットアドバイスやコラム作成を中心に活動、食の大切さを日々発信している。食べることが大好きな一児の母。


あなたが1日に必要なエネルギーは?

中性脂肪、コレステロールを語る前にまず知っておきたいのが、1日に必要なエネルギー(以下、適正エネルギー)です。
適正エネルギーよりも食事から摂取したエネルギーが多ければ、その分脂肪に変わりやすくなります。

今回は簡単な計算式を4つ用意しましたので、順番に計算してご自身の適正エネルギーを計算してみてください。
(※体成分分析機などで計測した結果とは異なる場合があります。)

1.BMIによる肥満度の計算

体重㎏÷(身長m×身長m)=BMI

計算式によって求められた数値によって、以下のように肥満度がわかります。

  • 18.5未満 → やせ型
  • 18.5以上25未満 → 標準
  • 25以上30未満 → 肥満
  • 30以上 → 重度の肥満

2.標準体重の計算

身長m×身長m×22=標準体重

3.基礎代謝量の計算

目標体重kg × 基礎代謝基準値(kcal/kg/日) = 基礎代謝量

基礎代謝とは1日何もしなくても消費されるエネルギーのことです。

目標体重には、

  • BMIで肥満となった場合・・・2で計算した標準体重
  • BMIで標準・やせとなった場合・・・現在の体重

を入れてください。

基礎代謝基準値は

  • 30~49歳・・・男性22.3・女性21.7
  • 50歳以上・・・男性21.5女性20.7

を入れてください。

4.適正エネルギーの計算

ここで出た数字がご自身の1日に必要なエネルギーになります。
この数字を超えないように食べるもののカロリーを意識していきましょう。

基礎代謝量kcal × 身体活動レベル = 適正エネルギー

身体活動レベルはご自身の日常生活の内容と活動時間によって3つに分けられます。あてはまるものを選んでください。

  • 身体活動レベル低い・・・生活の大部分が座位で静的な活動が中心の場合・・・1.50
  • 身体活動レベルふつう・・・通勤、買い物、軽い運動、職場での立ち仕事、接客、家事などを含む場合・・・1.75
  • 身体活動レベル高い・・・立ち仕事の多い職場に勤務している、積極的にからだを動かしている場合・・・2.00

中性脂肪、コレステロールを下げる食事とは

中性脂肪、コレステロールを下げるためには、4つのポイントがあります。

1.動物性脂肪の多い食品は避ける

体内のコレステロールは3分の2が糖質や脂質をもとに体内でつくられるもので、残りが食品から取り込んだものになります。
牛脂、豚脂、バターなどの動物性脂肪には飽和脂肪酸が多く、血中のコレステロール量を増やしてしまうので、摂りすぎないように注意しましょう。

2.主食、甘いものの食べすぎに注意する

お米や小麦粉、砂糖などに含まれる糖質は摂りすぎると脂肪に変換されてため込まれてしまいます。
間食をする場合は、最初に計算した適正エネルギーの10%をカロリーの目安にしましょう。

3.お腹いっぱいになるまで食べない

中性脂肪の増加は食べすぎによるエネルギーの蓄積によって起こります。
特に夜21時以降の食事は脂肪が蓄積されやすいので腹8分目を心がけましょう。

4.食物繊維が豊富な食品を食べる

海藻類、こんにゃくなどに含まれている水溶性の食物繊維には血中のコレステロールの排出を促す作用があります。
食事の最初に食べることで余分な脂質の吸収を防ぐ働きもあるので、積極的に食べたいですね。


いかがでしたか?
適正エネルギーがわかると食べるもののカロリーが気になってきますよね!
今回は食生活でできることを中心にお伝えしましたが、食事だけでは難しい場合もあります。
適度な運動を取りいれて消費エネルギーを増やすことも適正エネルギーを守るには大切なことですよ。

参考文献:改訂版 栄養の教科書 中嶋洋子監修