肉の脂肪には、血中のコレステロールを増やす飽和脂肪酸が多く含まれています。
さらに、脂質のとりすぎは中性脂肪の増加にもつながります。

中性脂肪、コレステロールを下げるには、脂肪分の少ない部位を選ぶようにすると同時に、調理法や一緒に食べる付け合わせ食材にも気を配ることが大切です。


《著者紹介》
プロフィール2Tsukiko
食品メーカーで食卓分析や広告宣伝などのマーケティングやフードスタイリングの経験を積んだのち、管理栄養士として独立。「食を楽しむ」をキーワードに、栄養指導やダイエットカウンセリングのほか、栄養・健康関連のコラム執筆やレシピ考案・フードスタイリング、フードコンサルティングなどの活動をしている。


肉は赤身を

一般的にレバーやモツなどの内臓はコレステロールが高いとされています。
モモやヒレ、ロースは100gあたりのコレステロール値が平均的50~60mgと低めです。

さらに、肉の脂肪分は、血中コレステロールを増加させ、中性脂肪の蓄積にもつながるため、赤身肉を選ぶようにすることがポイントです。

鶏肉は皮を取り除く

鶏肉の皮には脂肪が集まっており、100gあたりのコレステロール値も平均的120mgほどと高めです。
鶏肉を食べる時には、むね肉・もも肉に限らず、皮は取り除いて食べるようにしましょう。

付け合わせや副菜には色の濃い野菜や海藻類を

コレステロールが酸化して動脈硬化につながらないように、ビタミンが豊富な緑黄色野菜を一緒に摂るようにしましょう。

野菜だけでなく海藻類も水溶性食物繊維が豊富。
コレステロールを排泄しやすくする効果があります。

また、玉ねぎに含まれるケルセチンというポリフェノールは、便と一緒に脂質を排泄するという働きがあります。

肉の調理のポイント

肉に含まれる脂肪には、血中のコレステロールを増やす飽和脂肪酸が多く含まれているため、調理では肉の脂をできるだけ取り除くことが重要です。

  • フライパンなどを使って焼いたときに肉から出る余分な脂は、クッキングペーパーで丁寧に吸収させ、取り除くようにしましょう。
  • 魚焼きグリル(網焼き)を活用し、余分な油を落としましょう。
  • 揚げものや焼きものは、熱いうちにクッキングペーパーで両面についている余分な油をしっかりと吸い取るようにしましょう。

おすすめレシピ:網焼き豚肉の南蛮漬け

豚肉を魚焼きグリルで網焼きにし、余分な脂分を取り除きましょう。

南蛮漬けに使われるお酢の主成分である酢酸には、血中のLDLコレステロールと中性脂肪を低下させる働きがあるといわれています。

色の濃い野菜をたっぷりとることで、コレステロールの酸化を防ぎ、動脈硬化のリスクを軽減させます。

材料:2人分

  • 豚ロース肉(厚みのあるもの)・・・2枚(160g)
  • 酒・しょうゆ(下味用)・・・各大さじ1
  • 玉ねぎ・・・1/2個
  • 人参・・・1/2本
  • パプリカ・・・1/2個
  • 漬けだれ
    酢・・・大さじ3
    砂糖・・・大さじ2
    しょうゆ・・・大さじ2
    水・・・大さじ2
    唐辛子・・・少々

手順

  1. 豚肉は酒・しょうゆにの下味をつけておきます。
    魚焼き用グリルで網焼きにして余分な脂は落とし、熱いうちに軽く脂をふき取ります。
  2. 野菜はすべて千切りにします。玉ねぎは水にさっとさらし、ザルにあけて水分をきっておきます。(玉ねぎの辛味が気になる時は、電子レンジで軽く加熱します)
  3. バットに1.の網焼き肉を熱いうちに並べ、上から2.の野菜と漬けだれをかけて漬けこみます。
    ラップをかけて、冷蔵庫で20分ほど冷やしておくと、味がなじみやすくなります。

(参考:厚生労働省「e-ヘルスネット」、日本動脈硬化学会HP)