中性脂肪やコレステロールを下げる食品として、オメガ3系の脂肪酸をはじめとした栄養成分を豊富に含む魚介類が注目されています。

魚介類に含まれる栄養素を理解し、栄養成分の性質に合わせて調理法を工夫して、中性脂肪、コレステロールを下げるために効果的に活用しましょう。


《著者紹介》
プロフィール2Tsukiko
食品メーカーで食卓分析や広告宣伝などのマーケティングやフードスタイリングの経験を積んだのち、管理栄養士として独立。「食を楽しむ」をキーワードに、栄養指導やダイエットカウンセリングのほか、栄養・健康関連のコラム執筆やレシピ考案・フードスタイリング、フードコンサルティングなどの活動をしている。


DHA(ドコサヘキサエン酸)とEPA(エイコサペンタエン酸)

魚の油に含まれるDHA(ドコサヘキサエン酸)・EPA(エイコサペンタエン酸)は、中性脂肪の合成を妨げ、コレステロールを下げることで知られています。
これらは必須脂肪酸とよばれ、体内では合成できないため、食品から摂取する必要があります。

いわし、さんま、ぶり、あじ、かつお、さばといった青背の魚に多く含まれており、1日に魚を1切れ程度食べることがすすめられています。
DHA・EPAは大変酸化しやすいため、酸化予防に、緑黄色野菜など抗酸化物質を含む食材と一緒に食べるようにしましょう。

タウリン

魚介類に多く含まれるタウリンとよばれる成分も、コレステロール値を下げる働きがあるといわれています。
タウリンは、あさり、ホタテ、かつおなどに多く含まれています。

ビタミンB群

互いに協力し合って体内でのさまざまな物質の代謝に関わるビタミンB群は、コレステロール値を下げる働きも担っています。

ビタミンB群は、さんまやかつお・にしん、シジミやアサリなどの魚介類に含まれています。
ビタミンB群は水溶性ですので、味噌汁や、煮汁を一緒にとれるような煮魚がおすすめです。

おすすめレシピ:さばの香味みそ煮

DHA・EPAをたっぷりとることができる主菜です。
ビタミンB群は水溶性のため、煮汁をしっかりからめて食べることがポイントです。
ねぎやしょうがを使うため香りが高く、魚の臭みを抑えたり、減塩効果も期待できます。

材料:2人分

  • さば・・・二切れ
  • 白ねぎ・・・40g
  • しょうが・・・ひとかけ
  • 煮汁:水・・・1/2カップ
  • 酒・・・大さじ1
  • しょうゆ・・・小さじ1
  • 砂糖・・・大さじ1
  • みそ・・・大さじ1
  • ゆずの皮・・・少々
  • 水溶き片栗粉・・・適量

手順

  1. さばは酒(分量外)をふっておきます。
    表、裏ともしっかり熱湯をかけ霜降りにします。
    ねぎは小口切り、しょうがは薄切りにします。
  2. 浅い鍋に、煮汁の材料(水・酒・しょうゆ・砂糖)を入れて中火にかけ、煮立ったらさばとしょうがを入れます。
  3. ときどき煮汁をまわしかけながら、15分~20分間煮る。
  4. みそを溶き入れてねぎを加えます。とろみが足りない時は煮汁に水溶き片栗粉を加えてとろみをつけます。
  5. 千切りにしたゆずの皮を添えて盛りつけます。

(参考:厚生労働省「e-ヘルスネット」、日本動脈硬化学会HP)